抗がん剤治療をやめ、緩和ケアに移行するという事は、すぐに死を迎えるという事なんでしょうか?
78歳の母に昨年春、胃癌が判明し、余命半年と宣告されました。腹膜に転移しており、手術で取り除けない状態で、抗がん剤治療をしてまいりました。しかし、先月より副作用が強く現れてしまい、毛は抜け落ち、食も細くなり、体力もみるみる失ってきて、見ていて痛々しくなってきました。担当医から緩和ケアを薦められたのですが、本人はホスピスは死にに行く場所と思い込んでおり、積極的ではありません。担当医の話では、現在の緩和ケアというのは死を待つだけのところではなく、体力を維持していく為や毎日を過ごしやすくする為のものであり、悲観することはないと説明され、娘の私たちは緩和ケアをしてくれる病院に面談の申込を始めています。
しかし、こちらの過去の書き込みを拝見すると、緩和ケア病棟に入る=すぐに死亡する、との意見が多く、とても不安になってきました。寝たきりでもなく、自分で簡単な料理もでき、近くになら買い物にも行ける現在の状態で、緩和ケアは早すぎるのでしょうか?このまま抗がん剤治療をしていった方がいいのでしょうか?アドバイスしていただけると幸いです。
さん
ご心配のことと思います。
「緩和ケア」とはQOL(=生活の質)を高めるものであって、決して「間近な死」を意味するものではありません。医療に携わる者の中においても誤解がありますので一般の方がそう思われても仕方ないのですが…。
最初にお伝えしたいことがあるのですが、緩和ケアを専門とする病院に入院される前に、その緩和ケア病院がどういったスタンスであるのか?を確認しておくべきでしょう。先に言いましたが医療界でさえ誤解がありますので「何の治療もしない」緩和ケア病院があるのも事実です。本来、患者さんの「生活の質の向上を図り、退院を目指す。再度の治療に向かう体力を維持する。それが叶わないのであれば健やかな日々を…」が緩和ケアの役割であると私は思います。
(昨日から読売新聞において「緩和ケア」特集が掲載されていますので参考にされてください。)
さて「先月から副作用が強く現れて…」とありますが、それはドクターの言葉でしょうか?
胃がんの腹膜転移ということですから、これまでの抗がん剤治療も色々な組み合わせで行われたかと思います。この辺りはドクターからの説明はありましたでしょうか?最近「抗がん剤」の組み合わせを変え、結果として「副作用が強く出た」のか「病状の進行」によるものかが判りませんが「髪の毛が抜け落ち」とありますので副作用がでていることについては間違いないと思いますが「食が細くなり、体力が…」は副作用であるのか否かは判断できかねます。
全てが「副作用」でしたら、他の薬剤を追加することや抗がん剤の種類を変えることよって対応可能かも知れませんね。
厳しい状況でしょうけれども「緩和ケア」で体調を整え、新たな治療に臨むことを目標にされるのも良いのでは?と思います。
「簡単な料理もでき、買い物にも行ける」状態ですので全ての治療を止めてしまうのは早いかと…。
「緩和ケア」と「抗がん剤」の二者択一ではありません。『「緩和ケア」において「抗がん剤」』といった選択も考えられてください。
また、ドクターやナース、お母様とのつながり(=病状判断を含めて)を深めてください。これが「チーム医療」と言うものです。
どうぞお大事に…。