乳癌の再発率(ホルモン療法、放射線治療)について
真面目な回答のみお願いします。詳しくはお調べください などの回答は必要ありません。
5月末に乳癌温存手術を受けた者です。現在、放射線治療中です。
当方の術後病理結果は
低リスク(年齢35歳以上)?Ⅰ期
腫瘍のサイズ:1.2×1.0cm
ホルモン受容体:陽性
HER2:陰性
脇下リンパ節転移:無し
断端:陰性
でした。
執刀医によると、以上の状態の再発率は、ホルモン療法をやらなければ3%、
すれば2%に減らせるとのことでした。
アメリカでの報告だそうです。
(放射線治療もした場合か否かは聞き忘れてしまいました)
所変わって放射線科の医師によると、
放射線治療をやらなければ再発率は15%~20%、
すれば5%に減らせるそうです。
ホルモン療法と放射線治療の再発率に違いがあるのはどういうことでしょうか?
私の病理結果の場合、
「放射線治療をすれば再発率を○%に抑える?ホルモン療法をすればさらに☆%に減らせる」
という統計は無いのでしょうか?
執刀医には7月にならないとお会いできず、放射線科の医師も患者が多くお忙しそうで、
次の診察までゆっくり話ができないのです。
放射線科で言われたことは、乳癌のグレードに関わらず、放射線治療を行った結果の数字なのか?
とも思いますが、お詳しい方よろしくご回答の程お願いいたします。
さん
医療関係者ではありませんが、
>「放射線治療をすれば再発率を○%に抑える?ホルモン療法をすればさらに☆%に減らせる」
まず、乳房温存療法後の放射線治療の目的と術後補助療法としてのホルモン療法の目的を分けて考えると良いと思います。また、手術された乳房での局所再発と遠隔転移による再発とを分けて考える必要もあります。
<乳房温存療法後の放射線治療の目的>
乳房温存療法後の放射線治療は、切除した側の乳房に放射線を照射し、切除した側の乳房での局所再発を抑えることが目的です。遠隔転移というよりも手術時に既に微小ながん細胞があったが検査では見つからなかったものを叩くというイメージです。
<術後補助療法の目的>
乳癌は「タンポポの綿毛」と比喩されるように、それほどの頻度ではないようですが、Ⅰ期といえども微小ながん細胞が全身に広がっている可能性があるそうです。全身に広がっている可能性のある微小ながん細胞を検査で引っかかる前に放射線や手術で治療することはできないため、その可能性がある場合、全身をターゲットとした治療が必要となります。ホルモン療法、化学療法、分子標的療法のいずれか、又は組み合わせで治癒を目指して治療されます。乳房は体の表面にあり、そこに出来たがん自体は生命に影響しませんが、遠隔転移による再発を予防するため、術後補助療法をきっちり行うことが最近の治療では重視されているようです。
<局所再発に対する放射線+ホルモンの併用による上乗せ効果の有無>
執刀医と放射線科の医師の見解は、
(1)放射線療法をやれば、手術時に検査に引っかからなかった微小ながん細胞を叩くことで、局所再発を5%に減らせる。
(2)ホルモン療法をやれば、遠隔転移を2%に減らせる。
(3)放射線療法とホルモン療法をやれば、併用による上乗せ効果で局所再発を5%未満(2~5%?)、遠隔転移を2%に減らせるという診断結果かと思います。
上乗せ効果については、日本乳癌学会/編(2005年版)/ガイドラインに記載された臨床試験の結果があります。
○同側乳房再発率に関し、切除+放射線、切除+ホルモン、切除+放射線+ホルモンの3群で切除+放射線+ホルモンの併用が良い
http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0006/1/0006_G0000114_S0022848.html
○非浸潤乳癌0期の術後補助療法(切除のみ、切除+放射線、切除+ホルモン、切除+放射線+ホルモン)の乳房内再発率
※I期の場合も傾向としては同様ではと思います。
http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0006/1/0006_G0000114_S0022947.html
<参考まで>
○術後補助療法の選択とその後の再発率との関係は下記サイトで計算できます。(システムメンテナンス中のようです)
http://www.adjuvantonline.com/index.jsp
○腫瘍内科医の第一人者のブログで、乳癌治療のまともな標準治療を議論するSt. Gallen会議の結果等も参照できます。
http://watanabe-oncology.spaces.live.com/
○がん情報サポートセンター
http://www.gsic.jp/cancer/cc_18/index.html
○海外のがん関連情報の日本語訳
http://www.cancerit.jp/xoops/
なお、どこぞの街のクリニックで自由診療と称し、結局効果があるんだかないんだか分からないで大金ふんだくられる免疫療法や血管内治療、食事を改善すれば、断食すればがんが消えるタイプの「トンデモ本」にはお気を付けください。
さん
そうでしょう。医療関係者の屁理屈なら『癌治療ハンドブック最前線』をみればいいでしょう。私はここに質問してくる人はそういうサイトは見たうえでの質問だと思うんです。癌になるようなことをすれば、100%癌になるし、再発しないよう正しい治療を実施すれば100%再発しない。当たり前である。病気とはそういうものです。確率で再発したりはしません。『医学?健康常識を疑え』石原結実-廣済堂出版『病気にならない生き方』新谷弘美-サンマーク出版。『免疫革命』安保徹著 講談社インターナショナル。