肝細胞癌で手術、その後のTAE(肝動脈塞栓術)について教えてください。
兄、男59歳、昨年の8月に突然の腹痛で病院へ。検査により、B型肝炎ウィルスから肝硬変、そして肝細胞癌がみつかりました。癌は直径10センチほどの大きいのが少し破裂して、横隔膜にくっついていました。反対側にも4個ほどの癌がみつかりました。
ステージ4aでした。
大きい癌を含む肝臓の半分と横隔膜の一部も取り除く9時間余りの大手術でした。
術後は黄疸や腹水?胸水がたまり大変でしたが11月初旬に退院できました。
そして、今年の1月に残っていたガン治療のためにTAE(肝動脈塞栓術)を受けました。その時、8月時点よりも癌の数が増えていました。
そして、4月末に2度目のTAE(肝動脈塞栓術)を受けました。
その後、5月中旬のCTスキャンの映像には20個ほどの癌がありました。そのため、9月初旬に3度目のTAE(肝動脈塞栓術)を受けることになっております。
先生は「癌は2?3日で悪くならないから。それよりも肝硬変が心配。この状態を長く保つように。」と言われました。
現在、B型肝炎ウィルスを殺す薬と肝臓の滋養になる薬を飲んでいます。そして、アルブミンの栄養剤を水で溶いて1日2回飲んでいます。
そこで、心配に思っている事があり、アドバイスとご意見をいただきけたらと思います。
20個も癌があるのに、9月初旬までほっといて増えたりしないかどうか。もっと早くTAE(肝動脈塞栓術)をしてもらえないか。
5月中旬に外来で行った時に90日分の薬をくれました。次回は8月中旬の予約ですが、その間、診察なしでもいいのでしょうか。
他の病院でもそうなのでしょうか。
セカンドオピニオンを受けたことがないので、他の病院のことがわからず心配しております。
何度も通院するのは大変だからと先生が気遣ってくださっていると思う時と、見放されているのかと不安に思う時と複雑です。
どうぞ、ご意見?アドバイスをお願いします。
さん
まず、9月までほっといたら増える可能性は十分あります。
ただ、TAEを早くするかどうかとなると話は別です。
まずTAEという治療は肝動脈を詰めてしまい
癌の栄養血管をつぶして癌細胞を殺す治療です。
言わば兵糧攻めのようなものです。
それに併せて癌に対し抗がん剤を局所的に注入することも多いです。
問題は癌細胞だけに薬が流れたり、癌細胞に行く血管だけをつぶす
ことはできないということです。
正常の肝細胞もやられます。
TAEの適応として肝機能がある程度保たれていることが条件となります。
肝硬変ですと肝機能が低下しているため何回も何回もTAEをできません。
それとTAEは理論上、数、大きさに制限なく治療できます。
20個だろうが40個だろうが100個だろうが
肝機能が保たれていれば理論上治療可能です。
ですので9月まで待機して治療することを選択していると考えます。
ちなみに肝硬変の患者の命に関わる病態として
代表的なものに肝細胞癌、食道静脈瘤、肝不全(肝硬変の終末期)があります。
肝細胞癌、食道静脈瘤は治療可能な状態ならコントロールできますが
肝不全についてはコントロールできません。
ですので肝硬変が悪化しないように今の状態を維持することが重要です。
悪化すればTAEできなくなります。それが癌の治療にもつながります。
がんばってください。