2013年4月9日火曜日

医師、医療関係者にお聞きしたいことがあります。(心臓外科、循環器)PCIについ...

さん

医師、医療関係者にお聞きしたいことがあります。(心臓外科、循環器)
PCIについて

PCI時に冠動脈内に留置するステントの種類と特徴(利点、欠点)を教えてください。

サイファーステントはよく耳にしますが特徴が分かりません。

どうかご回答よろしくお願いいたします。

さん
PCIで従来型のステント(ベアメタルステント)を留置すると2~3割の患者さんに 再狭窄 という現象が起きます。これは、ステントを覆うように血管の内側にある細胞(血管内皮細胞)が増殖して膜をつくるのですが、過剰に膜が厚くなりすぎると血管の内腔を狭めてしまい、狭心症の原因となってしまいます。
これを克服するために登場したのが新型ステント(薬剤溶出型ステント)です。従来型のステントにある種の抗がん剤や免疫抑制剤が塗ってあって、過剰な血管内皮細胞増殖を抑制してくれるので再狭窄率は数%以下になります。しかしながら、中にはほとんど内皮細胞が張ってこない患者さんがいて、この場合はいつまでたっても血管内にステントの金属が露出している状態になってしまい「ステント内血栓症」が起きやすい危険な状態が続きます。これを回避するため、ほぼ一生涯にわたって抗血小板剤の服用が必要になる(出血性の合併症の危険性が高く、また出血性疾患に罹患した時には厄介)のが最大の欠点です。
これは現在、循環器科の医師が抱える大きな問題の一つで、さまざまな研究成果が出ているものの、「いつまで抗血小板剤を服用してもらうか?」に関しては統一見解には至っていないのが現状です。

なお、日本には
ベアメタルステント:
Driver,S-Stent,Liberte,Vision,Dula-flex,Tsunami等
薬剤溶出型ステント:
Taxus Liberte,Endeavor,Cypher
があります。
それぞれのステントで、病変通過性能?ストラット形状?血管拡張保持性能などに特徴があります。
ちなみにCypherステントはJhonson Jhonson社製で、Bx-Velocityというステントにシロリムスという薬が塗ってある第一世代の薬剤溶出型ステントです。

ブログ アーカイブ