2011年4月5日火曜日

私の姉の息子(18歳)が白血病になりました。

さん

私の姉の息子(18歳)が白血病になりました。

白血病には国からの援助はないのでしょうか?

それと治るのでしょうか?

さん
医療関係者です。
順番が逆になりますことをご了承ください。
ひと口に「白血病」と言いましても約100のタイプがあります。
以前は「不治の病」のイメージがありましたが…。
治りやすいタイプもあれば逆に非常に困難なタイプもあります。
ですから、お姉様の子どもさんの「白血病」のタイプを知らないことには
答えられない面があります。
よく「骨髄移植で治る」との投稿もありますが、「白血病」のタイプ次第で
移植の適応になるのもあればならないものもあります。
よって「白血病のタイプ」を知り、その進行度(=切実度)をドクターに聞いてください。
(どのような経緯で診断されたのか?その辺りが質問だけではわかりませんので)
治療は「白血病のタイプ」によって色々な方法があります。
もちろん骨髄移植もそうですし、抗がん剤もあります。
かなりの長期戦になりますが治療法は日々進歩していますよ。
次に「国からの援助」ですが、金銭的な援助とは限らず、患者さん向けの様々な情報が
提供されています。(がんセンターHP、骨髄移植財団HP等をご参照ください。)
国として「白血病」の病名での援助はありませんが、病状の進行により日常生活に支障が
ある場合には「障害年金」の対象となるケースもあります。
(この辺りの手続きについては私は詳しくありませんが…。)
いわゆる「白血病」と言われる血液疾患の中には国の難病指定となっているタイプも
あります。(例:骨髄異形成症候群=MDS)
都道府県により自己負担を軽減している例もあるようです。
また、民間レベルでも多くの援助システムがあります。情報提供もそうですが…。
なお、残念なことに今は廃止となりましたが血液疾患の方と同行者の方が年間3回、
入退院やセカンドオピニオンの際に飛行機が無料になるプログラムがありました。
(ノースウエスト航空と日本航空の連携でノースウエスト航空マイレージの寄付に
より運営。ノースウエスト航空が合併したことにより4月に廃止されました。)
このような善意の援助がありますが、それを知らない病院があるのも事実です。
いかに情報を仕入れるか?情報を得ることが出来る病院を選ぶのも「患者力」だと
思います。
このように援助は様々です。
どうか病状を知られ治療に臨んでいただければと思います。

【補足】
ALL(=急性リンパ球性白血病)ですね。
抗がん剤で寛解(=表面上「落ち着く状態」と思われてください。)に
持っていくことを主治医が言ってあるのでしょう。
その状況を見て治療方針うぃ決められると思います。
「1ヶ月半」は最初の治療期間の目安ですから。
出血のことをご心配のようですが治療には様々な
リスクがあるのは事実ですがドクターの管理下で
対処できるはずですので…。
過度の心配はされない方が良いです。
それよりもALLの知識を仕入れることですよ。

さん
特定疾患などには指定されていないため、国からの特別な援助はありません。
その年齢で急性リンパ性白血病であれば、完治を目指して造血幹細胞移植を目指した長期戦になることは間違いなく、医療費も高額になるため、入院先の病院にある医療相談室などで相談すれば、高額医療費など詳しく教えてもらえます。

治療については、まず大量の抗癌剤で寛解導入療法を行いますが、この治療で白血病細胞がかなり減ってしまえば、あとは移植に向けて突き進むのみです(移植ドナーの検査や骨髄の運搬費用などは、基本的に全て患者さん持ちになります)。しかし、もしも治療の効果が薄ければ、また寛解導入療法を行わなければなりません。

移植については、2つの目的があります。ひとつは、超大量の抗癌剤を投与して、白血病細胞を徹底的に死滅させる事。これにより血液を造る正常な細胞も死滅してしまうため、他人の細胞を貰って移植します。もう一つの目的は、他人の白血球が体内に定着して増えるわけだから、この細胞の免疫力によって残った白血病細胞を攻撃し続けることができ、これはGVL効果と呼ばれます。しかし良い効果のみでなく、自分の正常組織も攻撃される(GVHDと呼ばれます)ため、免疫抑制剤の投与が必要になります。

大量の抗癌剤を使うため、副作用も強いです。吐き気が強いイメージもあるかもしれませんが、良い吐き気止めもあるため、はっきり言ってあまり問題にはなりません。出血も怖いですが、一番怖いのは感染症で、真菌(カビ)による肺炎などにかかると移植ができなくなる事もあるため、感染症には十分に注意しなければなりません。お見舞いの花などには真菌もついているため、白血球が低い時期には持っていかない方が良いでしょう。

1ヶ月半で病状が安定すると言うのは、抗癌剤の副作用が抜けきるまでの期間を言っているのではないでしょうか?白血病そのものを完治させるには何年もかかるでしょうし、命にかかわる事も覚悟しなければなりません。

急性リンパ性白血病にもいくつか分類されていますが、日本での治療に関しては、実際にやってみなければ分からないのが現状です。欧米での最新の知見では新しい薬もいくつ報告があり、個人輸入で使えなくもないですが、保険が使えないため費用だけでも全額患者負担で数百万円からかかります。あえて最初から使う必要性は無く、化学療法や移植で効果が出なかった時に最後の手段として頭の片隅に入れておけば良いでしょう。

さん
白血病は難病指定されていませんので、国からの補助というのは特にないと思います。

健康保険(国保、社会保険)に加入しているのであれば、高額療養費の請求などは出来ると思います。
申請方法とか、何か金銭的な補助制度などがないか???などは、大きな病院であれば相談員がいる場合もありますので、窓口で聞いてみるといいと思います。

白血病にもいろいろ種類がありますし、治療法も治癒率も異なります。
本人も闘病で大変だと思いますが、ご家族の負担も大きいと思います。
身内の方の励ましは、心強いものですので、手助けしてあげるとよいと思います。

がんばってください。お大事に。

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