脳梗塞と心筋梗塞とでは、どちらの方が命を落とすリスクが高いでしょうか?
さん
病気の発症後の対応によると思います。
脳血管疾患による死亡者数は1999年の統計で全死亡者数は138,989人で
死因順位はがん心疾患、第3位が脳血管疾患(脳梗塞が7%で脳出血が30%)です。
脳血管疾患は30年前には脳梗塞より多かった脳出血が減少し
脳梗塞が増加しております。
ご参考まで
心筋梗塞
急性心筋梗塞の死亡率は20%弱であるが、死亡例の約半数は
発症数時間以内に集中しており、そのほとんどが重症不整脈によるものである。
また梗塞巣が左室心筋の40%を越えると心原性ショックに陥り
死亡率は70~90%にものぼる。
従って心筋梗塞発症時の治療の目的は不整脈死を予防し
梗塞巣を最小限にとどめ、ポンプ失調の出現を防ぐことである。
特に、発症後6時間以内であれば再潅流療法により、虚血心筋を
salvage(救助) することにより、梗塞範囲の縮小?心破裂などの
合併症の発生率を減少させることができるので、迅速な対応が大切である。
脳梗塞
3~4時間以上たってしまうと、詰まった塞栓をせっかく溶かしても、
壊死に陥った組織(梗塞になった部分)に大量の血液が入り込むので
部分的に出血を起こして出血性梗塞になることもあるのです。
ですから脳梗塞ではなるべく早く、できれば発症して3時間以内に
治療が開始できるよう、すぐに専門医のいる病院に患者さんを運んでください。
何れも発症後から処置までの対応でリスクが変わってくること
疾患にまつわる合併症も死因の一要因であることを想定し
治療するものと私は考えています。
10年ほど循環器急性期病棟に勤務しておりましたが5年のブランクがありますので
現役の方の現状もご参考ください。
さん
単純には比較できません。
脳梗塞は命に別状の無い小さなものもある。心筋梗塞は、そうはいかない場合が多いです。
ただ心筋梗塞はつまった血管をバイパス接続する手術ができます。脳梗塞はそういうことがまずできないので、重篤な梗塞が起きた場合は脳梗塞のほうが致死率が高いですね。脳神経が酸欠に対して非常に弱いというのもポイントだと思います。
ちなみに、血管が詰まるのは脳や心臓だけでなく、肺とか、腸間膜とかもあります。死亡率では腸梗塞が最高だと思います(ほとんど助からない)。