2013年2月7日木曜日

子宮癌と膀胱癌について

さん

子宮癌と膀胱癌について

お教えください。
身内が2年前に子宮頸癌と診断され、抗がん剤と放射線の治療をしました。膀胱に転移しているといわれました。子宮がんはその後定期健診でもひっかかることなかったのですが、先月検査で膀胱の癌をとらなければいけないと言われ、今週手術になります。全摘ではないとのことで1時間ほどで終わるといわれたのですが、本人は、すごく気にしています。このような場合、膀胱単独での癌とまた違うのでしょうか?詳しく子宮癌と膀胱癌についてお知りの方お教え願います。

さん
がんというのは細胞の変異ですので、ガン部分を摘出し、病理検査にまわさないと原発箇所かどうかの判断は難しいと思います。
膀胱がんは同じく下腹の臓器ですので直接浸潤があったならともかく、子宮頚がんの場合はウイルス由来のものもあり、原因にもよりますので単純に転移かどうかなどはわからないわけです。
しかし、基本的に子宮頸がんが転移したものなら局所再発ということになり、外科手術でとりきれるならそれほど深刻に考えることはありませんし、内視鏡による摘出ならごく初期に見つかったということです。
初期なら90%以上の5年生存率がありますので経過観察をしっかりすれば根治も可能です。
とりあえず経過観察をしっかりしていけば大丈夫だと思いますよ。
深刻ならまず化学療法から入るか、骨盤内臓器全摘出術の適応になっているはずです。
下記のURLを読んでおくと参考になると思います。

http://ganjoho.ncc.go.jp/public/cancer/data/cervix_uteri.html


http://ganjoho.ncc.go.jp/public/cancer/data/bladder.html

さん
子宮癌(しきゅうがん) uterine cancer

子宮に原発する癌で、女性では臓器癌のうち胃癌に次いで多い。発生部位によって子宮頸(けい)癌と子宮体癌に分けられるが、両者はまったく別の癌として扱われているほど、発生素因や組織学的構造、症候や進展状況、治療や予後などもすべて異なる。しかしまた、日本では子宮癌の80%以上が子宮頸癌であり、子宮癌といえば子宮頸癌をさす場合が多い。なお、両者とも治療に先だって進行の程度を国際規約(1961年、国際産婦人科学会癌委員会採択の規約)によって決められた臨床進行期分類に従ってかならず分類される。予後はいかなる治療が行われたにしても、治療が開始されたときの患者の臨床進行期分類に大きく左右され、その段階が進むほど不良となってくる。
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1. 子宮頸癌
子宮頸部の粘膜から発生し、とくに外子宮口付近、すなわち腟(ちつ)部を覆う多層の扁平(へんぺい)上皮と頸管部を覆う1層の円柱上皮との境界部が、発生上もっとも重要な部分とされる。40歳から50歳代に多いが、ごく初期の段階では集団検診などで30歳代に発見される率が高く、20歳代にもみられることがある。したがって子宮癌の定期検診は、30歳を過ぎれば受けるべきである。
子宮頸癌は、進行程度によって0(ゼロ)期から期までの5段階に分けられる。0期や期の初めころにはほとんど症状がなく、臨床前癌とよばれているほどである。初発症状としては、せいぜい性交後に少量の出血(接触出血)をみる程度である。しだいに癌の浸潤が進むと出血しやすくなり、性交後にたびたび出血するほか、排便や排尿時にも出血しやすくなる。また、汚れた「おりもの」がある。このようなときには、年齢を問わず、即刻診察を受ける必要がある。期では癌が骨盤壁に及んで神経を圧迫し、神経痛がおこる。また、下肢や下腹部にむくみ(浮腫(ふしゅ))がみられる。

診断
次の三つを組み合わせて行う。

(1)細胞診 腟の内容や子宮口付近を擦過してガラス板に塗抹し、染色して顕微鏡で癌細胞の有無や進行の程度を判定する。早期発見に欠かせない検査法で、女性が自分で腟内容を採取してガラス板に塗り、検査所に送る方法もある。

(2)コルポスコープ診 コルポスコープ(腟拡大鏡)で子宮口周辺全般を観察し、とくに癌が発生しやすい部位を撮影したり模式図で記録するもので、コルポ診とも略称される。

(3)組織診 細胞診やコルポ診で異常所見や癌が疑われたときに行われ、特殊な切除器で疑いのある部位の組織の一部を採取し、組織標本をつくって顕微鏡で調べる。子宮癌の確定診断は組織診によって決定される。

治療
治療法としては手術と放射線療法が主であり、場合によって化学療法や免疫療法なども行われる。臨床進行期の0期では、腟部円錐(えんすい)切除ないしは子宮単純全摘除術で100%治癒が期待できる。期および期では根治手術か放射線療法が行われ、期と期の場合は主として放射線療法、場合によっては手術、あるいは手術と放射線療法の併用、全身転移例には化学療法も行われる

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