1/24放送分「世界一受けたい授業」での「がんの話」(がんは遺伝するについて)
医学部三年のものです。
今日、テレビを見ていたら上記の内容の放送がありました(自分の地域は遅れて放送されるので)
東大付属病院のえらいであろう助教授が、がんについてわかりやすく教えてました。
しかし、「がんは遺伝する」という内容について
助教授は「しません」と断言していました。
そこで、ゲストの一人が「がん家系っていいませんか?」という質問に対し
「そんなものはありません」的な話をしていました。
タバコをすう、酒を飲むなどの生活習慣の類似点から、がんリスクが高まるのみだと。
しかし、実際学校で習ったには
①肝臓のシトクロム系の変異により、タバコの毒素を分解するのに時間がかかる
②がん抑制遺伝子の変異の遺伝(家族性大腸腺腫症、リーフラウメニ症候群etc)
など、がんがそのまま遺伝することはないまでも、そのリスクの高さが遺伝する=がん家系が存在することは、
否定できないはずです。
わざわざ目くじらを立てて反論するような内容ではないと思いますが、
他の内容については「YESかNOか判断はできない」という助教授のあいまいな回答もあったことからも、
この回答がきっぱり「NO」とでていることに違和感を感じたんです。
このことに対して、専門知識をもたれている方はどのような見解をされますか?
長々とかいてしまいましたが、「がん家系は存在する」かどうかがとりあえず知りたいです。
さん
大腸がん、乳がん、前立腺がんは遺伝的に弱い相関(約1割)がみられるそうです。
しかし家族というのは生活習慣が似通っていますので遺伝ですべてが片付けられるわけではないですが、がん抑制遺伝子はいくつか知られていますしその変異ももちろん遺伝しますよね。
がんに関して言えば「基本的にはNO(遺伝しない)、しかし一部のがんは遺伝的に発症率が上がる可能性がある」です。
がん家系は存在します。
しかしそれは遺伝的要因がすべてではなく、生活習慣も大いに関係していると思います。というか生活習慣の方が大きいです。それはガンの要因がタバコ3割、食事3割で6割を占めるのに対して遺伝が0.5割であることからも推し量ることができると思います。
放送を見ていないので私はこう思ったと言えないのですが、うーん、テレビであることを差し引いても准教授(と呼んであげてくださいね)が言い切ってしまうかぁとは思います。テレビ効果として「NO→ほぼない」「YESかNOか判断はできない→YESの可能性が高い」という編集を見越した言い方だとしても(実際にテレビではかなり捻じ曲げられます)具体的な病名に触れて遺伝的な相関がみられると言っても良かったように思えます。
しかし「関係がある」というのはくせ者で、あると言ってしまうと大きな相関があるかのように勘違いされることがあります。一卵性双生児での疫学的調査でも関連性は1割程度なので、DNAの異なる家族となるともう少し関係が弱くなります。
よって「がん家系」に見えても遺伝はほとんど関係がないので「NO」と言ってしまった、ということも考えられます。
このへんは准教授の戦術なのか本当にないと思っているのかわかりませんが、上記理由による戦術的な言い方ならOKかな、と思ってしまいます。そういうことを考えずにすめばいいんですけどね。
参考:
http://www.hondafoundation.jp/library/pdfs/hofrep115_j.pdf#search= ...
さん
<みんなきちんと働けば生活出来るから泥棒はいない。>
実際は働かない人もいたりして泥棒がなくなる事はない。
と同じような理屈では?
<がんというのは細胞のコピーミスが原因、ミスが起きなければガンは出来ない。>
実際はコピーミスは起こり、起き易い家系があり、ガン家系と呼ばれている。
番組サイト
↓
http://www.ntv.co.jp/sekaju/class/090124/03.html
あくまで論理として理想論として「no」と回答。
臨床は現実、理想論では動けませんね。。。